風邪や喉の痛みに効果的な精油~長谷川桜子

喉や鼻の不調に使うアロマ

流感にはラベンダー油を

アロマセラピーを利用してかぜをはやくよくし、流感にかかっている期間を短くすることができます。

ラベンダー油を体にすりこむ

浴槽に適温のお湯を満たします。そしてラベンダー油をベースとなる植物油にまぜます。そして、この精油をまぜたオイルを体にすりこみます。とくに胸部とネックのうら側には念入りにすりこんで下さい。そして、おふろに10分ほど身を沈めます。そして、手ばやく体を乾かして、すぐに寝床に入って下さい。この治療をしますと、かぜや流感の苦しさがずっとらくになり、場合によっては一晩のうちにいろいろな症候がすっかり消えてしまうこともあります。ラベンダー油は浴湯の熱に助けられて体内に入っていき、体のなかに侵入した微生物を殺しはじめるとともに、免疫系の力を強めて、さらに多くの抗体と白血球をつくりださせます。このほかにも、サンダルウッド油、マートル油、ニアウリ油、ティートリー油、レモン油など、かぜのウイルスと闘うことができる精油がいくつかあります。

流感のときのすりこみ用オイル

ラベンダー油 15滴
これを10ミリリットルのナッツ油〔スイートアーモンド油、ピーナッツ油、クルミ油など〕に加えてできあがりです。

喉頭炎・咽喉痛には
ティートリー油やラベンダー油を使って、うがいをする

のどの炎症というものはみんな、何らかの感染病原体が体のなかに入りこもうとし、体の免疫系が懸命に体を守っていることをあらわすものです。私たちは、ティートリー油やラベンダー油やレモン油をグラス1ぱいの水に1滴落として、それでうがいをすれば、体が病原体の侵入と闘うのを応援できます。

サンダルウッド油は菌に効く

サンダルウッド油には非常にパワフルな抗菌力があって、大部分の抗生物質と同じくらい効果的に連鎖球菌とブドウ球菌を殺すことができます。咽喉痛になったと思ったら、私はかならずすぐにサンダルウッド油を1滴内用しています。この精油の味はとても苦いのですが、これで味蕾を襲撃するだけの値打ちは十分にあると思うのです。それは、これをただ1回とることだけで、咽喉痛はそれ以上悪化しないですむからです。サンダルウッド油は蜂蜜湯に2~3滴入れて飲むようにすれば、もっと気持ちよく内用できます。これを小さじに1ぱいずつ1時間ほどの間をおいて何度か内用します。サンダルウッド油は緩和作用を示すだけでなく、かるく麻酔させる力もありますから、のどの痛みをとってくれます。

注意点

このサンダルウッド油は、ただサンダルウッドの香りのする精油というのではだめで、かならずほんもののインドのマイソール産のサンダルウッド油でなくてはいけません。ですから、信頼のおける会社からだけ買うようにして下さい。

咽喉用のニアウリ油の薬剤

ニアウリ油 1滴
透明な蜂蜜 小さじ1ぱい
小さいボウルに精油と蜂蜜を入れて、よくかきまぜます、のどがむずがゆくてせきがでるとき、また声がでなくなってしまったときに、これを少しずつ、1時間ごとに服用します。

副鼻腔の感染症
副鼻腔は声が共鳴する大切な場所

副鼻腔は私たちの声がそこで共鳴する大切な場所です。ふつうのかぜにかかったときによくあることですが、ここが感染症になりますと、声がひどくひびきのない平べったい声になってしまいます。いわゆる「鼻づまり声」がこれです。かぜがすっかりなおれば、正常に戻ります。でも、ときどきこの副鼻腔から長い間にわたって感染症がぬけないことがあります。そうすると、頭痛や耳痛や顔面神経痛が生じて、患者は不快でいらいらしてきます。

副鼻腔炎にはラベンダー油

花粉アレルギー、ハウスダスト不耐症、さらには食物アレルギーのような各種のアレルギー症、たばこの煙や車の排気ガスなど、さまざまな原因で、副鼻腔炎がひきおこされることがあります。こういったとき、鼻の両側にラベンダー油をつけて副鼻腔のところをソフトにマッサージしますと、この症状に効果があります。しかし、もっと劇的な効果をあげるのは、イニュラ油という、あまり有名でない精油を使用したときです。このイニュラ油はホホバ油かナッツ油で十分に稀釈しなくてはいけませんが、これを副鼻腔のところにそっとすりこみますと、感染症状はごく短時間で消えてしまいます。このイニュラ油は、2~3回つけるだけでよいでしょう。

劇的な効果があるのはイニュラ油

イニュラ油は、急性であると慢性であるとを問わず、副鼻腔炎をなおすすばらしい効能があります。また、高度が変わると、感染症をおこした副鼻腔のせいでひどく不快感をおぼえることがありますから、私はこの精油を空の旅をする人、とくに航空関係者にすすめたいと思います。

副鼻腔へのすりこみ用オイル

イニュラ油 1滴
ホホバ油(またはスイートアーモンド油) 25ミリリットル
これらをまぜたものを、少量だけ副鼻腔のまわりにぬりひろげます。

喘息について

喘息のこどもが特定の食品にたいしてアレルギーをおこすということをとてもひんぱんに耳にします。また、現在では医師たちも食物アレルギーというものが確かにあり、それが健康障害をひきおこすということを認めていますから、どういう食品(あるいはそのほかの物質)がその病気のひきがねになっているのかをみつけることが大切です。

気道にたいしてその痙攣を鎮め、緩和させる作用をもつ精油はたくさんあります。

治癒力をもつエアフレッシュナー

ベルガモット油 1滴
レモン油 1滴
ゼラニウム油 1滴
クラリセージ油 1滴
バジル油 1滴

これらの精油を熱湯を張ったボウルに入れるか、そのほかの熱源の上におくかします。この精油類の組合せは、喘息患者が喘息の発作をおこすのを防ぐ力があります。

咽喉が痛むとき
ティートリー油には殺菌消毒特性がある

咽喉は、空中にただよう大半の細菌とウイルスが最初に感染する場所ですから、多くの病気はまず最初、ただの咽喉の痛みとしてはじまります。ティートリー油は殺菌消毒特性があり、しかも皮膚の組織に傷害を与えませんので、応急手あて用精油として理想的なものです。コップに水を底から3分の2ほど入れ、ティートリー油を1滴落として、コップの上部をあなたの手か清潔な布でおおって、コップを勢いよくシェイクし、うがいを行います。幼児の場合には、うがいがじょうずにできず、このうがい水を多少とも吐きだしたり飲みこんだりしてしまいます。でも、ティートリー油は内用しても安全ですから、うがい水をいくらか飲んでしまっても、何の障害もおこりません。

扁桃を切除したひとは

扁桃を切除したこどもは、そしてさらにおとなも、体全体の防衛システムの大切な部分をなくしてしまっています。扁桃は実際には感染と闘う細胞をつくりだしてはいません。そういう細胞を生産するのは胸腺と骨髄で、これらを一次リンパ器官といいます。ここでできた細胞は、脾臓や扁桃のような体のほかの部分(二次リンパ器官)へと移動し、そこで特定の任務を与えられます。すなわち抗体を生産するB細胞になったり、ヘルパーT細胞や抑制性T細胞や自然キラー細胞(NK)になったりするのです。これらの細胞はみんなそれぞれ果たすべき特定の役割がありますが、これらはまたおたがいに関係をもって全体として働いて、私たちを病気から守ります。私たちが扁桃や虫垂のような重要な部分を失っているならば、細菌と真菌をやっつけ、感染と闘う私たちの体の防衛システムと力をあわせ、それを助けることができる精油類を使用して、外から攻撃をうけた場合、私たちの体が有効に機能するのを援助することが、いっそう重要になってきます。

せきどめにはニアウリ油

ニアウリ油は、咽喉の感染症と闘い、やっかいなせきを鎮める力をもつすばらしい精油です。ニアウリ油を患者に与えるためのいちばんかんたんな方法は、せきどめ用ニアウリ合剤を用いることです。

せきどめ用ニアウリ合剤

ニアウリ油 1滴
透明な蜂蜜 小さじ1ぱい
小さいお皿のなかにこれらを入れて、十分にかきまぜます。これを、咽喉が痛むとき、せきがでるときに、小さじの先端につけて与えます。