手づくり香水のおすすめ~長谷川桜子

香水を手づくりしてみる

自分に合う精油を使う

私たちの嗅覚は、私たちのいろいろな感情を誘いだすいちばん直接的なルートです。そしてまた、このにおいの感覚は多くの人びとの場合、いちばん軽視されてきた感覚ですし、またよく乱用されてきた感覚でもあります。嗅覚は脳に直結されていて、私たちは自分が嗅いだものにしたがって、こころよく反応したり、不快な感じで反応したりします。

私たちが、ある精油が自分の気分をよくしてくれ、また実際に自分の幸福感を高めてくれることを知ったら、そうした精油類をブレンドして香水にし、その微妙な芳香を毎日自分のそばにただよわせたり、特別な機会にだけそれを使ったりするのはすてきなことです。

あなた自身の「署名」ともいえる香水をつくる

むかしは、香水というものはみんな、もっとも純粋な精油類をたくみにブレンドしてつくられました。ですから、香水はまさに人びとの喜びであり、また道楽でもありました(心にとり、またお財布にとって)。しかし、悲しいことに研究室で芳香化学物質を創造する時代がはじまるとともに、香水類はますます合成されるものとなっています。しかし、長年にわたる調香の経験にもとづいてつくられてきた非常に値段の高い香水には、まだほんものの精油がたっぷり用いられています。そういう古典的な香水と競うのはむりでしょうが、あなたも香水製造業でのいくつかのかんたんなテクニックを駆使して、十分に通用するあなただけの香水をつくることができます。香りが長続きする性質のソフィスティケートされた香水を創造することはむりだとしても、あなた自身の「署名」ともいえる香水をつくる楽しみが味わえます。

オススメはホホバ油

精油類はきわめて強力ですので、稀釈しないでそのまま体につけることはできません。香水の媒材としてふつう使われているのはアルコールですが、純粋なアルコールは一般人むけには売っていません。ウォッカやジンのようなアルコール飲料を使用すると、体がカクテルみたいににおいます。植物油は酸化する性質があるので、稀釈剤としてはふむきです(質が悪くなってしまうのです)。でも、ホホバ油ならば液体ワックスで酸化しませんから、精油のブレンドを稀釈する基剤として理想的です。これはブレンドをとても微妙に保ってくれますから、これでつくった香水を全身用の香水として使うことができるとともに、ホホバ油は肌に非常によいので、これを体につければ肌をデリケートに香らせるとともに、肌をソフトにすることができます。

暑い夏の日、オーデコロンを手づくりするのもとても楽しいものです。何種類かの精油をかんたんにブレンドして、それをミネラルウォーターに加えて、勢いよくシェイクするだけでよいのです。熱波に襲われたときなど、この楽しくリフレッシュしてくれるオーデコロンをたっぷり体にふりかけることができます。これはまた、心を敏活に、フレッシュに保つのにも役立ちます。

香水のつくりかた

[バラの香水]
バラ油 4滴
サンダルウッド油 12滴
ゼラニウム油 2滴
ローズウッド油 2滴
これらの精油を10ミリリットルのホホバ油に加えてできあがりです。これは濃すぎてマッサージオイルとしては使えません。香水として、控えめにつけて下さい。

[うっとりさせるジャスミンの香水]
ジャスミン油 2滴
ローズウッド油 12滴
イランイラン油 6滴
これらの精油を10ミリリットルのホホバ油に加えてできあがりです。

オーデコロンのつくりかた

プチグレン油またはネロリ油 20滴
ベルガモット油 80滴
レモン油 30滴
オレンジ油 40滴
ラベンダー油 20滴
ローズマリー油 10滴
これらの精油を蒸留水に加えます。びんづめの湧き水ならばなおけっこうです。これらの精油を100ミリリットルの水に加えれば、10パーセントの稀釈度になります。200ミリリットルの水に加えれば稀釈度5パーセントです。このブレンドは、使用する前によくシェイクして下さい。

目的に応じたアロマを使う

バストを豊かにするには
ゼラニウム油は植物ホルモンを豊かに含む

自分のバストのサイズに心から満足している女性は、ほとんどいません。みんな、自分のサイズは大きすぎるとか小さすぎるとかと思っているのです。このことについての不満のせいで自信をなくしたり、自分が不幸だと感じたりすることがあり、これがひいてはセクシャルなよろこびを損なってしまうことがあります。私は、アロマセラピーは自動的にバストのサイズを変える力があるとは申しませんが、一部の植物には「植物ホルモン」が含まれているということを示す証拠があります。このホルモンが、バストを発達させることを含めた数々の機能を果たす人間のホルモンと同様のかたちで働くのです。ゼラニウム油は植物ホルモンを豊かに含んでいるという定評があります。

小さくするにはホホバ油

バストサイズが恵まれすぎていて、もう少しそれを小さくしたがっている女性たちは、ホホバ油を用いてバストを日ごろマッサージすればよいのです。私は、ホホバ油には皮膚の下の脂肪の堆積を乳化させ、それを体外に排出する力があることを発見しました。ホホバ油は数多くのユニークな特性をもつ驚くべき液体です。ホホバ油のこの特性については、ほかのところで触れるつもりです。

バストを豊かにするためのマッサージオイル

ゼラニウム油 9滴
イランイラン油 16滴
この両精油をいっしょに50ミリリットルのキャリアオイル(スイートアーモンド油など)に加えてできあがりです。でも、ホホバ油は用いないで下さい。

ももを細くするには
よぶんな水分と脂肪の排出を促す精油

多くの女性にとって、ももは自分の体でいちばん気に入らないところです。ダイエットだけでは、ももについてしまったいやな脂肪をとりのぞくことは決してできません。運動がとても大切です。たぶん、カロリーの計算をするよりももっと重要なのではないかと思います。

ジュニパー油には利尿作用

しかし、精油のうちには、体にマッサージしてすりこむと、ももとヒップの部分からよぶんな水分と脂肪を排出するのを促してくれるものがあります。ジュニパー油は利尿剤で、循環を盛んにし、体が解毒するのを助けます。サイプレス油は収れん作用があって、これをマッサージオイルにブレンドすると、筋肉をひき締めて強化しますので、体重を落としたいとき、これはありがたいものになりますし、伸長線もできないですみます。

ホホバ油はよけいな脂肪の堆積と毒素を代謝

ホホバ油も、体組織にたまってしまったよけいな脂肪の堆積と毒素を体がとりのぞくのを助けます。私たちの体の代謝のスピードは、とりこんだ食物のカロリーを燃やすか燃やさないか、そのカロリーが体のサイズを大きくしてしまうばかりかを大きく決定します。肉体の機能が鈍化しますと、体液の循環が鈍り、リンパ液の排液もうまくいかなくなります。こうした場合には、その人間の痩身を成功させようと望む前に、体の生気をすっかりよみがえらせることが必要です。

人によっては、自分がふとっているということが気持ちを抑うつ症的にします。そしてこの抑うつは代謝のスピードを遅らせます。ですから、わが身をなぐさめてくれるケーキやチョコレートに手をだすよりも、感情を明るく高めてくれる精油類を定期的に使用することです。脚を毎日マッサージするときには、かならず上の方へ(つまり心臓にむかって)マッサージして下さい。でも、もしセリュライトの疑いがあったら、決して肉をたたいたりつまんだりせずに、しっかりと、しかしソフトに肉をマッサージするようにします。らんぼうなトリートメントをすると、症状をいっそう悪くするだけです。セリュライトというのは、肌が「オレンジの皮」のような外観になることで、ももに見られることがもっとも多いものです。

ももを細くするためのマッサージオイル

サイプレス油 10滴
ジュニパー油 10滴
ラベンダー油 5滴
これらの精油を50ミリリットルのキャリアオイル〔スイートアーモンド油、グレープシード油、ヒマワリ油、ココナッツ油、マカデミアナッツ油など各種ナッツ油、ホホバ油など〕に加えてできあがりです。